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売上が見込めるなら会社のほうがメリットがある

個人事業主としてスタートし、売り上げが上がってきた。事業はこれからスタートするが、最初からある程度の売り上げを見込んでいる。こんなときは会社にすることを検討したほうがいいです。会社という別人格をつくること、つまり事業を個人から会社化することを「法人化する」といいますが、では何を目安にどの段階で法人化するのがベストなタイミングなのでしょうか?

法人化で得られる最大のメリットは税金

前提として、個人事業主でも会社でも、事業をスタートしたからには確定申告をして税金を納めなければなりません。個人事業主の場合は、「所得税」「住民税」「個人事業税」等、会社の場合は「法人税」「法人住民税」「法人事業税」等がかかります。

所得税は累進課税、法人税は2段階課税

では個人事業主と会社にかかる税金は、どこが違うのでしょうか。

まずは所得にかかる税金の種類の違いです。所得に対してかかる税金は、個人事業主には「所得税」、会社には「法人税」がかかります。

所得税の税率

課税される所得金額 税率
195万円以下  5%
195万円〜330万円   10%
330万円〜695万円 20%
695万円〜900万円  23%
900万円〜1,800万円 33%
1,800万円〜4,000万円 40%
4,000万円〜 45%

法人税の税率

課税される所得金額  税率
800万円以下 19%(15%)
800万円以上 23.2%

(平成30年度4月1日以降開始事業年度、800万円以下は平成31年3月31日までは15%に軽減)

上記の表をご覧ください。

所得税は、累進課税が適用されています。ですから、課税所得が195万円のときは5%、330万円までは10%と徐々に上がっていきます。そして、330万円ー695万円では20%と法人税と税率が逆転します。900万円以上では実に33%が税金として取られることになります。

これに対し「法人税」の場合、最大でも23.2%にすぎません。

つまり、売上があまりなく利益が少ないうちは個人事業者として所得税の課税を受けている方が税負担は少なく、売上が上がってくるにしたがって、法人税で課税されたほうが所得に対する税負担が少なくなります。

設立する法人の規模や業種、家族従業員の扱い、役員報酬の金額によって違いがあるので一概には言えません。ただ一般的には、年間の課税所得(売上ではなく、経費などを引いた後の所得)が500万円以上になった段階で、法人化を考えたほうがいいと言われています。

消費税課税事業者になるタイミングを遅らせる

もう一つの目安が、売り上げ(所得ではありません)が1000万円を超えたかどうかです。売上1000万円は、消費税納税のタイミングです。2年前の課税売上高、もしくは前年前半6カ月の課税売上高が1,000万円を超えるときに課税事業者となり、消費税を納税しなければならなくなります。これは、個人事業主も法人も同じです。

しかし、会社設立をすると消費税が2期免除になるので、消費税の課税事業者になるタイミングを遅らせることができます。なぜなら、個人と法人は別人格なので、法人を設立して1期目は、どんな会社でも納税判定対象期間にはまだ会社がなかったわけですから、売上高はゼロとなります。設立2年目でも、前年前半6カ月の売上高が1,000万円を超えなければ消費税を払う必要はありません(資本金1,000万円未満で法人設立した場合)。

役員報酬などは経費として計上できる

節税メリットは他にもあります。法人の場合は、個人事業主と比べて経費として計上できる幅が大きいです。

例えば、個人事業の場合は事業利益のすべてが課税対象となるのに対し、法人化して自分の給料を役員報酬とすると、経費計上して利益を減らすことができます。そして、個人の給与所得からも所得控除額の分だけ減らすことができます。

また、従業員を雇用した場合、法人では退職金が損金として認められます。個人事業の場合は、一定の要件を満たせば従業員に対する給料やボーナスを必要経費とすることはできますが、退職金は必要経費にできません。

欠損金の繰越控除が9年間に延長

欠損金の繰越控除の期間が延びるのも、節税メリットの一つです。個人事業の場合でも、青色申告申請書を出すことで赤字の繰越控除ができますが、個人事業主の場合は繰越期限が3年間なのに対し、法人の場合は9年間と長くなります。

 

法人でないと取引をしない会社も

社会的信用は法人のほうが断然高い

法人のほうが個人事業主は開業のハードルが低く、リスクも少なくスタートできるのがメリットです。一方、会社は、定款を作り、登記をしなければならないなど手間もコストもかかりますが、社会的信用という点では断然高いといえます。

大きな企業の中には「法人としか取引をしない」という企業もあります。それまで経費計上で節税対策をしていて法人化の必要性を感じなかったという個人事業主でも、大きな企業との取引でそう言われて法人化を検討をするという人も多いです。

従業員を雇用するなら法人化

また、従業員を雇用して事業を進めていくときには、会社にしたほうが優秀な人材が集めやすくなります。会社は社会保険への加入が義務付けられており、長く安定して働きたいと思う人のほとんどは厚生年金や健康保険への加入を希望するからです。 

 

以上のように、ある程度の収益が期待できる場合には、会社にするメリットは大きいです。個人事業主としてスタートし売り上げが上がってきた段階、事業はこれからスタートする段階だがもうある程度の売り上げを見込んでいる、従業員を雇用するなど、それぞれにとってベストのタイミングで法人化を検討してみてはいかがでしょうか